新田原聖母病院

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緒方先生の健康講座

生活習慣病に注意しましょう

生活習慣病は今、大変注目されています。呼吸器疾患の中では慢性閉塞性肺疾患(COPD)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)が肺の生活習慣病として新聞、雑誌、テレビなどで大きく報道されています。

生活習慣病とは?

高血圧、糖尿病、高脂血症など生活習慣が病気の発症に深く関わっている疾患の総称です。それぞれの生活習慣病に肥満(とくに内臓脂肪型肥満)が影響していることが分かってきました。そこで内臓脂肪型肥満に高血圧、高血糖、高脂血症のうち2つ以上を合併した状態をメタボリックシンドロームと言うようになりました。

内臓脂肪はなぜ恐い?

腹囲を測ることで内臓脂肪面積を推定することが出来ます。日本では男性85 cm以上、女性90 cm以上を内臓脂肪型肥満と判定しています。人の体にはアディポネクチンという善玉ホルモンが産生されていて、血圧や血糖、中性脂肪を下げ、傷んだ血管も修復して生活習慣病の危険な状態を防いでくれます。ところが内臓脂肪が増加すると、この大切なアディポネクチンの産生が少なくなってしまうのです。

生活習慣病の原因は?

遺伝的な要因もありますが、①食生活(食べ過ぎや偏食)、②運動不足、③過労、④ストレス、⑤喫煙、?飲酒(飲み過ぎ)が深く関係しています。言い換えれば、悪い生活習慣を改善することにより、病気を予防して病状の軽いうちに治すことが可能になります。現代社会にはこれらの原因が渦巻いていますので、自分の生活習慣を見つめなおすことが大切です。

肺の生活習慣病とは?

COPDとSASの2つが挙げられます。COPDは、タバコが主な原因で空気の通り道である気管支や空気をためる袋である肺胞に障害が起きて、呼吸機能が低下していく病気です。SASは、夜眠っている間に喉の奥が狭く詰まった状態となり、空気が通らなくなり呼吸が停止してしまう病気です。いずれも生命に重要な酸素が低下して、いろいろな症状や命に関わる危険な合併症を引き起こします。

COPDとSASの対策は?

まず診断が重要です。COPDは肺機能検査、SASは終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査を行ないます。診断がつけば治療に入ります。COPDでは禁煙が必要で、それぞれの病態に応じて吸入薬(スピリーバ)や内服、リハビリテーション、酸素療法を行ないます。SASでは肥満の改善が大切で、重症度に従ってC-PAPという鼻マスク治療やマウスピース、耳鼻科治療を始めます。

生活習慣病は早期発見・早期治療が大切です。そして癌と脳卒中、心臓病の3大生活習慣病にならないように予防することが必要となります。当院では随時検査を行っていますので、どうぞ お気軽に御相談ください。

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